Golden Rabbit Beer


「清酒発祥の地」とされる奈良をクラフトビールで盛り上げて行きたいという願いから2015年に創業。原料となる農作物であるの大麦やホップなどの農家と共に栽培を始めるなど、農業からビールづくりに取り組む。ビールの名前には、「そらみつ」、「あをによし」など万葉集や古事記にでてくる枕詞を使用するなど、クラフトビールを通じて奈良の魅力奈良の魅力発信にも努める。

クラフトビールを通じて奈良の魅力、再発見へ

①アップサイクルされたビールとは

 ビールの醸造時にどうしても出てしまう搾りかす。これまでは、畑のたい肥や鶏の飼料にしていました。この搾りかすを何かに使えないかと考えてたところ、ふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングを奈良市が開始すること知り応募したところ、支援事業者として決定されました。
通常、フルーツビールは1種類の果物を丸ごと利用しますが、既に果実の成分を使った搾りかすでは、同様の風味を出すのは難しく、試行錯誤を重ねました。奈良県産イチゴの他に、ぶどう、甘夏、ココナッツ、さくらんぼ、マンゴー等、複数の果実の搾りかすを組み合わせることで、新たな風味、ふくよかな味わいのビールを完成することができました。これをきっかけに、人も、モノを、蘇生させる新ブランド「SOSEINO」立ち上げました。
当醸造所では、「SOSEINO」をベースとした廃棄物の低減に取り組むと同時に、醸造ででた廃棄物は畑のたい肥や鶏の飼料等に活用、その畑から栽培したホップ、大麦、米を利用したビールづくりを行うなど、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に取り組んでいます。
※アップサイクル:本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生すること

新ブランド「SOSEINO」
ホップ
クラウドファンディング

②竹のクラフトビール

 生駒市の伝統的工芸品である茶筌。その原材料となる淡竹(はちく)。茶筌として利用できる淡竹は厳しい条件をクリアした品質が求められ、整備の行き届いた竹林は年々減っているため良質な淡竹は調達が困難です。良質な淡竹を育てるためには竹林を整備する必要があり、たくさんの間伐材が発生します。今まで間伐材は廃棄されていましたがが、「SOSEINO」の考えをベースに、誕生したのが竹のクラフトビールです。
 竹には独特の香り、苦みがあるため、何度も成分抽出を行い、どのような味に表現するか試験を繰り返しながら、竹のさわやかの香りと独特の風味を活かした「BAMBOO SAISON」をリリースし、奈良県高山茶筌生産協同組合と共同で茶筌の歴史を守ることやSDGsの取組にチャレンジしています。

竹のクラフトビール
モルトを投入
取材の様子

③ やさしさの贈り物プロジェクト

 当醸造所は、「ビールを通じて、奈良の魅力を伝えること」を使命と感じ、「ローカル」と「ソーシャル」をキーワードにしています。「ソーシャル」の面では、「NPO法人日本こども支援協会」とコラボレーションして、『やさしさの贈り物プロジェクト』を発足しました。これは震災や虐待といった理由で、親と暮らせない子どもたちの里親支援を通して「すべての子どもに家庭のある暮らし」を目標とした活動です。子どもとお酒って遠い存在かもしれませんが、子どもたちを救えるのは大人しかできません。ビールを飲むと協会に寄付される「ソーシャル・ビール」となっています。ぜひ皆さんの楽しい時間を少しだけ、お裾分けいただき、子ども達の未来を救っていただけたら嬉しいです。

Golden Rabbit Beer(ゴールデンラビットビール)
奈良市東寺林町30
創業/2015年
業種/クラフトビールの醸造・販売
URL/https://www.goldenrabbitbeer.com/