本場奈良漬製造元 奈良屋本店


昭和23年創業。「大和三尺きゅうり」、「大和の丸茄子」等の奈良市の伝統野菜として指定されている品種や生姜、西瓜、白瓜等の地元産野菜を優先的に使用。「奈良で収穫された野菜を奈良で塩漬けにし、奈良で漬け込む」という”地産地消”のテーマに取り組む。従来は、職人のカンに頼ってきた製造工程をデータ化、品質のバラツキを抑えることで、次世代への継承をスムーズに行えるようにも取り組む。直近では、廃棄物を循環させるサーキュラーエコノミーにも着手。

奈良の野菜や酒粕を使い奈良で漬け込む

①次世代への事業継承

 奈良漬の製造には過去には職人の「勘」に依存している部分が多くありました。約20年前に、先代から受け継いだ、その「勘」を理解する事が出来なかった時から私はその疑問点を様々なデータをとる事によりそのデータが或る一つの一貫性をもたらしている事に気づきました。それをきっかけにあらゆる製造工程のデータ化を進めることで、安定した品質の奈良漬を生産できるようになったと感じています。

また、奈良県の奈良漬製造業者としては現在唯一のJAS認証企業として品質管理、品質の安定にも繋がっています。さらに、製造工程のデータ化や製造工場のJAS認証取得で得たマニュアル等が、次世代へと事業継承する際にも非常に有効であると考えます。伝統は勿論守りながらも根拠に基づく製造工程の開発は奈良漬製造業者として持続していくためには必要な取り組みであると考えます。

奈良屋本店
京終工場JAS認証
工場見学の様子

②地元の原材料生産者と共に

約20年前に奈良の伝統食品である「奈良漬」の原料野菜を調べたところ、地元奈良県産は殆ど使用されておらず、漬け込みも他府県で行われている事例が多くある事も知ったことをきっかけに、奈良の伝統的な食品である奈良漬は本来、奈良で収穫された野菜を奈良の環境のもとで育まれたもので作りたい。その想いで最初に始めたのが地元奈良県産の野菜、地元酒造メーカー様から生み出された「さけ粕」の確保です。

様々な生産農家様と出会いましたが、取引を始めるまでには困難を極めました。自分たちが作りたい奈良漬の思いを丁寧にお話しし、「自分達が栽培した野菜が、地元の伝統産業である『奈良漬』として活かされるのは意気に感じる!」と賛同を得る事が出来きました。また、種苗会社様や各方面の方々からの情報を基に奈良漬の野菜として適した地元の様々な野菜を入手する事が可能となり現在に至ります。そして、その栽培地域を活性化させる事も私たちの大きな使命だと考えています。

弊店の従業員も原料野菜を地元「奈良産」を使用し、原料の塩漬けから粕による漬け込みも奈良市内で行っている事に誇りをもって励んでいます。奈良漬の原料野菜はその殆どが夏野菜ですので、気候等による不作や竜巻で苗が倒壊した事も過去にはありました。他府県の生産農家様ともお取引を継続させて頂きながら、可能な限り、地元産の原料野菜を優先的に使用したいと考えております。

生産農家様
漬け込み中のうり

③サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現

奈良漬の生産過程で排出された使用済原材料。これまでは処分していました。
弊店では、これらの使用済原材料を地元の産業に有効活用していただく取り組みを行っています。また、使用済原材料を奈良において乳牛の飼料へ活用する取り組みも行っており、それらが生産農家様へ還元されています。これらの取り組みにより、食品ロスや廃棄物の削減に繋がり、サーキュラーエコノミー(循環経済)を実現しています。

その他にも、地元で収穫されたものを地元で加工し商品として生産するということは、仕入れ時の輸送コストや資源の削減になるだけではなく、従来の自然の姿に近づけることでもあります。さらに、地元の伝統野菜を守ることは生物多様性の面からも重要な取り組みと考えます。

奈良屋本店ではこれからも地元野菜生産者の皆様と共に、地元野菜の育成にも尽力して参ります。

SDGs宣言と奈良屋本店の奈良漬
本場奈良漬製造元 奈良屋本店
奈良市紀寺町1060
創業/昭和23年
業種/奈良漬の製造・販売
URL/https://narayahonten.com/